国民生活センターによると、全国の消費生活センター等に寄せられる相談のうち、契約当事者が60歳以上である相談は、2018年度には約43万件と過去10年で最も多い相談件数に達しましたが、2019年度は約37万件に減少しました。これは、架空請求に関する相談が減少したことが一因と考えられます。また、年代別にみると、60歳・70歳代の相談件数が減少しているのに対し、80歳以上の相談件数は増加しており、過去10年で最も多い件数となっているということです。
契約当事者が60歳以上である相談の内容をみると、健康食品などの定期購入に関する相談が2018年度に比べて約2倍に増加しています。また、アダルトサイトなどを含む「デジタルコンテンツ」、「インターネット接続回線」などの情報通信関連のトラブルに関する相談が、60歳以上のすべての年代において多く寄せられています。特に、60歳代・70歳代においては情報通信関連の相談や通信販売に関する相談が多く、一方で、80歳以上になると「工事・建築」「新聞」などの相談が多く寄せられるほか、訪問販売や電話勧誘販売によるトラブルが多くなる傾向があります。
そこで、同センターでは契約当事者が60歳以上の相談について分析を行い、消費者への注意喚起を行っています。
相談事例
【事例1】大手通販サイトと弁護士をかたる相手からの架空請求で次々にお金を払ってしまった
【事例2】お試しのつもりで購入したら定期購入だったが、表示が小さくて読めない
【事例3】強引に光回線契約を勧められたが、インターネット環境がなく不要なので断りたい
【事例4】自宅を訪問した業者に勧められ、よくわからないまま電力会社を変更してしまった
【事例5】出会い系サイトに誘導され、求められるままお金を払ってしまった
【事例6】定年退職したことを理由に、賃貸アパートの契約者を変更するよう言われた
【事例7】認知症の両親が、既に実施していて不要なはずの屋根修理工事を契約していた
【事例8】母が、5年後から購読が始まるという内容の新聞の定期購読契約をしていた
60歳以上の契約当事者のトラブルの特徴
- 架空請求の相談は減少したが、健康食品などの定期購入に関する相談が増加している
- 情報通信関連の相談が非常に多い
- 高齢になるにつれ、訪問販売や電話勧誘販売の相談が増加している
消費者へのアドバイス
- 消費者トラブルはひとごとではありません。自分は大丈夫と思いこまず、日頃からいろいろな消費者トラブルについて知っておきましょう
- 消費者トラブルを防ぐには、周囲の方による見守りも非常に大切です
- 不安に思った場合やトラブルになった場合は消費生活センター等に相談してください
詳しくは、国民生活センターウェブサイトをご覧ください。